社長ブログ
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遥か遠くにある目標に向かうとき
こんにちは!鈴木です。
昨年もチラッとお伝えしましたが、当社は今後、3年くらいかけて主力商品を大きくリニューアル(ほぼすべて最新システムで作り替え)していきます。
途方もなく長いというか、今いる場所からはゴールがまったく見えないというか、いわゆる超長距離マラソンです。
経営者としてソワソワするのは、リニューアルの内容や品質はもちろんですが、それに伴う、決して少なくはないコストと、そこまでの道のりを支えていく営業活動や人材採用・教育体制です。

大きな理想を描けば描くほど、現状とのギャップに不安になったり、自らの実力不足にため息が出て自己嫌悪になったりもします。
このような状況に直面したとき、自分の道標となっている体験があります。
畑のおじいさんのアドバイス
それは、20代のころ短期バイトで長野県の農家で働いたときの体験です。
現地に行ってみると、自分のイメージとは違い、農家の主である寡黙なおじいさんと二人で山小屋に泊まりながら働くというものでした。
最初に受けたアドバイスが「熊に気をつけろよ」だったのですが、どう気をつければいいのかわかるわけもなく、毎朝4時に起き、作業着を着てトラックで畑へ。
自分に課せられた仕事は、収穫し終わったトウモロコシの茎を伐採するというとても地味な仕事でした。
刈り取るだけなら簡単だろうと思っていたのも束の間、「おまえの担当は3ヘクタールだ」と言われたので、「それってどのくらいですか?」と聞いてみると、「向こうまでだよ」と。
ふと見ると、広大すぎてゴールがよくわかりません(あとで調べたらテニスコート114個分でした)。

自分に与えられたのは家庭用の小さな芝刈り機でしたが、それでもなんとか刈り取っていって、一息ついたところで後ろを振り返ると、まだスタート地点からほんの少ししか移動していません。
あらためて遠くを見ると、3ヘクタールは無限のように思えました。
「これはどう考えても無理だ…」とあきらめて土の上に座り、空を見上げて呆然としていた私に、おじいさんがやってきて一言。
「いいから、目の前の一本を全力で刈り取れ」と。
この一言は、なぜか今でも覚えています。
「これしか進んでない」とか、「先が見えない」とか、全部自分が作った心の壁なのかもしれないなと思いました。
どんな未来も今の積み重ねであり、どれだけ焦ったところで、今、自分が持てる全力を出すことしかできません。
汗だくになりながらも、おじいさんの言葉を頼りに、目の前にある一本を刈り取ることに集中し、数日後、振り返るとそこには伐採後のキレイになった3ヘクタールの畑がありました。
自分が描く理想の状態や、遠い未来の目標に対し、昨日も今日も何も進んでいないんじゃないかと不安になるとき、私はいつも、最後に見たその畑の姿を思い出すことにしています。


鈴木 太郎
(株)ラルズネット代表取締役社長。函館市出身。2006年明治大学卒業。宅建士資格を取得し、野村不動産ソリューションズ(株)入社。不動産仲介(法人営業)に携わる。その後、講師職を経て2010年当社入社。営業部にて制作事業の売上を3倍にリード。2013年同社GM就任。同年、総売上最高値更新。2014年同社常務取締役就任。営業、商品企画、経営戦略を担当。2020年から現職。
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