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社長のひとりごと2026.08.20NEW

その改善は、お客様のテーブルに届いたか?

その改善は、お客様のテーブルに届いたか?

お客様のテーブルには、何が出た?

こんにちは!鈴木です。

近況ですが、先日、UHB(北海道文化放送)の番組『FumuFumu(ふむふむ)』で、AI時代における当社の新しい働き方やサービスをご紹介いただきました!
当日はアナウンサーやカメラマンさんが来社されての本格的な撮影。緊張しましたが、私もカンペを出してもらいながら、なんとか乗り切りました…。

最近は、ありがたいことにメディアをはじめ、外部からのお声がけが増え、社内も活気づいています。

テーマは主に「AI・社内効率化」「福利厚生・働き方改革」についてです。テレビ、新聞、ラジオの取材に加え、文部科学省の講演資料で当社の事例を紹介したいという連絡も来ました。

ただ、いつも冷静に考えるようにしていることがあります。「これは、お客様に提供するサービスに関係があることだろうか?」と。

私は会社のことを、よくレストランにたとえます。当社でいえば、厨房で料理をつくるコックが「クリエイター」、料理を運ぶホールスタッフが「営業」、お客様が「加盟店・ユーザー」、そして料理が「製品・サービス」です。

当社は今年で創業26年目を迎えますが、長く事業を続けてきた分、古く非効率な仕組みやシステムも数多く残っていました。そこで数年がかりで精査と刷新を進め、今年ようやく負の遺産を9割方片づけられる見込みです。

今ではAIもフル活用し、生産性は前年比で約130%になりました。その結果、メディア取材も増え、金融機関からも一連の取り組みをさらに評価していただけるようになりました。

これは前進といえます。ただし、これらはあくまでも「厨房(社内)」の中の話です。

古いレシピを見直し、調理工程を効率化し、最新の器具を揃えたとしても、それ自体はお客様のテーブルからは見えません。お客様にとって大事なのは、「自分のテーブルにおいしい料理(製品・サービス)が届いたか」。この一点です。

だから私は、状況が浮ついたり、複雑になったときほど、「これは厨房の話で終わっていないか?結局、お客様のテーブルには、いつ、どんなおいしい料理が出たのか?」と、自分にも社員にも問いかけるようにしています。

これはどの業界でも同じです。不動産仲介であれば、「便利な営業管理システムを導入した」というのは厨房の中の話です。

その結果、お客様が「すぐに返信をもらえた」「希望に合う物件を提案してもらえた」「引き渡しまで気持ちよく進められた」と感じられる。これが、お客様のテーブルの上に出た料理です。

チームの進みが遅いなと感じたら

私は、チームの進みが遅いなと思ったときには、次の3点に気を付けるよう伝えています。

➀「できない理由」より「できる選択肢」を出し合う

社内会議で「~だからそれは難しいです」という発言が出ることがあります。しかし、それで議論が終わってしまっては、残された人も、お客様も困ります。

たとえば、料理を注文したお客様に「今日は人手不足なので、料理は出せません」と言うレストランはありません。

できない理由は、お客様には関係ないからです。だからこそ、話は「では、どうするか?」へ進みます。

メニューや工程を変えるのか、人を採用するのか、外部に応援を頼むのか、調理ロボットを導入するのか。「こうすれば目的が叶えられるかもしれない」という選択肢を出し合わないと、会社は成り立ちません。

➁抽象概念ではなく、具体事例で示す

「仕組み化しよう」「効率化しよう」など、抽象概念だけを並べても現実は変わりません。大切なのは、それを小さくてもいいので具体事例に変えることです。

「このツールを活用し、面倒な経理作業の一つを自動で終わるようにした」と見せれば、皆が「そういうことか」とイメージできます。

営業も同じで、「顧客ファーストで」と言うだけでなく、「問い合わせから5分以内に返信し続けたら商談化率が3倍以上もアップした」など、まずは一つ成功事例を作りにいく。具体が皆に共通イメージをもたらし、「これならいけるかもしれない」という希望と、チーム全体のスピードを生むのです。

➂思考ではなく、実行で終える

議論を重ねても、実行に移さなければ状況は1ミリも変わりません。

その日のうちにメールする。電話する。訪問する。人手が足りず現地採用で苦戦するなら、事務作業だけ切り出してリモートで手伝ってもらう。急ぎなら外注先を探す。

やり方がわからないなら、詳しい人や企業に聞く。失敗もありますが、動けば必ず新しい発見や学びが生まれます。

社内だけで「ああでもない、こうでもない」と話し続けても、結局、誰が、いつ、どんな行動を起こすのか決めないと何も進みません。

当社が仕事をお願いするパートナーを探す際も、重視するのは「実行」です。

難しい概念を並べるより、現地で泥臭く足を使い、結果を出す人や企業に惹かれます。AI時代になり、実行の価値はさらに高まっているように思います。

経営は、ときに難解なパズルのようです。未来に必要なことを優先すれば、今の成長が鈍る。今を優先すれば、未来への準備が遅れる。そんな場面もあります。

一つだけ確かなことは、「世の中が自社の事情に合わせて変わることはない」という真理です。当然ですが、自社のほうが、世の中のニーズに合わせて変わっていく必要があります。

あらゆる物事は、時間とともに複雑さを増します。だからこそ経営者の役割は、本当に重要な課題を、シンプルな問いに変換すること。

その一つが、「お客様のテーブルに、できるだけ早く、おいしい料理が出ているか?」という問いかけです。

「厨房(社内)」を磨くことは大切ですが、それ自体が目的にはなり得ません。全社員が常に「お客様のテーブル(顧客体験)」を想像できるチームでありたいと思っています。

鈴木 太郎

(株)ラルズネット代表取締役社長。函館市出身。2006年明治大学卒業。宅建士資格を取得し、野村不動産ソリューションズ(株)入社。不動産仲介(法人営業)に携わる。その後、学習塾の教室運営・講師業を経て2010年当社入社。営業部にて制作事業の売上を3倍にリード。2014年同社常務取締役就任。営業、商品企画、経営戦略を担当。2020年から現職。2026年、東京大学松尾研究室AI経営講座修了。
「人口爆縮時代の中小企業経営」をテーマに、経営者向けセミナーで講師を多数務める。登壇実績に、賃貸住宅業界最大のイベント「賃貸住宅フェア」、宅建協会函館支部、IREM JAPAN北海道支部主催セミナーなど。近日、同テーマの書籍をプレジデント社より出版予定。

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