社長ブログ
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採用トレンドの移り変わりと当社の歴史
こんにちは!鈴木です。
今月は、テレビ番組の撮影、マイナビ会社説明会の動画撮影、そして2月27日開催の不動産会社様向けのセミナー準備など、出演やトーク・スライド作りの仕事が多めなので、気合い入れます!
さて、今回は世の中の採用トレンドの変化についてお話しします。
結論からいえば、求職者の人気条件は昔から順に「終身雇用」→「成果主義」→「働きやすさ」→「成長環境(←今これ)」と移り変わっています。
先日、日経新聞に「成長もタイパ、居心地は二の次」という記事が載りました。
「今の職場は残業も少なくていい人ばかりだけど、年功序列で管理職に就けるのは早くても十数年先。成果に関わらず評価は同年代で横並び。辞めたい」
そのような、「居心地より成長環境」を重視する働き手が増えているというのです。これは、長年、採用活動をやってきた自分の肌感覚ともマッチしています。
当社の歴史でいえば、私が入社した十数年前は「やればやるほど稼げます」といったPRが流行っていて、実際それだけで人も集まりました。
自然と応募者も弱肉強食・個人プレーのような人が多く、会社も今の数倍はピリッとした体育会系の雰囲気でした。
しかし、10年程前から世の中でワークライフバランスが重視され、5年程前に働き方改革関連法が施行されると、「厳しいけどガンガン稼げます」系の人気は急落します。
そこで人気を集めたのが「働きやすさ」PRです。
当社もご多分に漏れず、これでもかと福利厚生をたくさんつけました。
「休みが多く残業も少ないです!保育手当も無料自販機も…」といった具合です。
社風も180度変わり、この頃から「個よりチーム」「センスより仕組み」といった組織文化ができました。
その結果、たしかに社員の定着率は上がり、人も集まりやすくなりました。
しかし、最近の応募者に志望理由をきくと、「たくさん休めそうな会社だったので」といった理由が平然と散見されるようになり、逆に、当社が求めている「自ら学び、課題と解決策を追求し、変化に適応できる人」といった応募者は減った印象です。
これは、PR内容が福利厚生面に偏りすぎていたのもありますが、それと同時に、世の中の新たな流れにフィットできていないのではという直感もありました。
最も信用できる自己防衛資産とは?
この激動の時代に、「◯◯社であれば生涯安泰だ」と楽観する人はいません。
そのような局面では、働き手にとっては「どこでも通用する汎用性の高いスキル・経験」が最も信用できる自己防衛資産であり、だからこそそれが身に付きやすい企業の価値が上がるのです。
昨今、ホワイト企業化したのはいいけれど、逆に社内がゆるみすぎて成長機会を見いだせない「ゆるブラック企業」なる批判語が飛び交うまでになりましたが、これは中小企業にとってチャンスです。
社員に対し、年齢に関係なく能力次第で大きな仕事や役職を任せられるのは、肥大化した大企業よりも、スリムな中小企業が対応しやすいポイントです。
実際に、私の知人の超優秀なクリエイターは、数万人規模→数千人規模→数十人規模の会社と転職していますが、今が一番楽しいらしく、理由をきくと「得られる裁量権とスピードが違う」とのこと。2023年4〜9月に大手から新興企業に転じた人は、5年前の18倍になったというデータも出ています。
人に寿命という制限がある以上、当然、時間はお金よりも価値が高いです。
「相手の“時間”というコインの支払いに対する、こちらの提供価値は何か?」
この感覚を持っていなければ、営業や商品開発はもちろん、採用活動にいたるまで相手に見放されてしまう重要な概念なのです。

鈴木 太郎
(株)ラルズネット代表取締役社長。函館市出身。2006年明治大学卒業。宅建士資格を取得し、野村不動産ソリューションズ(株)入社。不動産仲介(法人営業)に携わる。その後、講師職を経て2010年当社入社。営業部にて制作事業の売上を3倍にリード。2013年同社GM就任。同年、総売上最高値更新。2014年同社常務取締役就任。営業、商品企画、経営戦略を担当。2020年から現職。
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