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自主性はどこから生まれるのか?
こんにちは!鈴木です。
これまで多くの経営者や管理職の方にお会いする中で、皆さん、よく口にされるのが「チームメンバーの自主性が育たない」という悩みです。
もちろん、リーダーが1から10まで全部やってしまっては周囲に自主性が生まれようもありませんが、きちんと業務を渡し声がけもしているのに自主性が育たない場合はどうしたら良いのでしょうか?
答えは「一次情報の共有」にあります。
以前、某大手リゾート社の話で、非常に参考になるエピソードがありました。
その会社がまだ小さな旅館だったころ、社長が自社の料理を試食しておいしくないと感じたので、板長にそのことを伝えたところ、「そんなわけありません。自信作なのでおいしいに決まっています」の一点張りだったそうです。
そこで、お客様アンケートをとったところ、案の定「おいしくない」という結果が最多に。その一次情報を板長に見せたところ、「…これは改善しないといけない」と責任感を持ち、自主的に変わっていったという話でした。

ここから学べるのは、「自主性は、自分事だと感じたときに生まれる」ということです。
いくら上司が「これはまずいよ。こうしないとダメだよ」と教えても、部下にとってみれば、「それはあなた(上司)の主観なのでは…」という思いが拭えません。
しかし、お客様との間に生じた一次情報は違います。それは誰も加工しようがない、確固たる事実だからです。
たとえば、自分の目の前でお客様が困っていたり、怒っていたりしたら、そこに疑問の余地はなく、誰であれ「なんとかしなきゃいけない」という気持ちが芽生え、自分事になります。
これは、マイナスの事だけでなく、プラスの事にも当てはまります。
上司に褒められるのと、お客様に褒められるのとでは、意味合いがまったく違うのです。
当社では毎週水曜の全社会議で、お客様との間に生じた一次情報(ご要望・お叱り・喜びの声)を全社員で共有しています。
営業マンだけでなく、クリエイターから事務スタッフ、そして私も含めた全員でしっかりとお客様の声を聞き、反省して改善に取り組んだり、やりがいを感じたりしています。
見るべきは上司や部下の顔色ではなく、どんなときもお客様なのです。

情報共有こそが組織運営の要
当社では、個人情報・機密情報以外のほぼすべての情報を社内でオープンにしています。
売上、コスト、利益率などはもちろん、各チームが目標や進捗や課題を共有しています。
私自身も、毎週、全社員に自分の考えを伝えています。
(なお「情報共有」は、単に事実を掲載すれば良いのではなく、発表の場を設けることが大事です。)
「経営側の考えを知る機会がない」「他のチームの動きや課題がよくわからない」といった状況では、皆が責任感を持って協業することはできません。
全メンバーが自社の課題を「自分事」として解決していくには、まずお客様との間に生じた一次情報をシェアすること。そして、経営陣も含め、各チームが良い情報も悪い情報も、そのすべてを透明性高くタイムリーに発信し社内共有していくことが重要だと考えています。


鈴木 太郎
(株)ラルズネット代表取締役社長。函館市出身。2006年明治大学卒業。宅建士資格を取得し、野村不動産ソリューションズ(株)入社。不動産仲介(法人営業)に携わる。その後、講師職を経て2010年当社入社。営業部にて制作事業の売上を3倍にリード。2013年同社GM就任。同年、総売上最高値更新。2014年同社常務取締役就任。営業、商品企画、経営戦略を担当。2020年から現職。
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